私が旅エッセイを読まなかった理由

冬は私にとって読書の時期でもある。仕事が閑散期に入って休みも増えるからだ。不思議なことに繁忙期は休みが待ち遠しく1秒でも長く寝ていたいと思うが、いざ閑散期に入ると何か行動したい気分になる。

外出しなくてもいいけど、本を読んだり英語の勉強をしたりしなきゃと感じる。自分で楽しんでやっている部分もあるけど、ときどきなんでこんな使命感に駆られているんだろうと思うこともある。

今は節約期間に入ってたため、下手に遊ばず私は読書にふけることにした。

昨日今日で集中して読んでしまったのはたかのてるこさんの「モロッコで断食(マラダーン)。上下巻で分かれている長編エッセイだ。

 

たかのてるこさんを知ったのは旅行イベントでトークショーをしていたのがきっかけ。スクリーンに自身の行った先での旅行写真を写して当時のことを振り返りながら話していたが、人の旅行話を聞いてお腹が痛くなるくらい笑ったのは初めてだった。芸人並みにハイテンションで、グイグイ写真にツッコミを入れる旅行トーク

私自身旅行によく行くけど、自分の旅行話をするのがあまり好きじゃなかった。旅行をあまり行かない人からするとただの自慢話に聞こえるんじゃないかな~と思っていたからだ。

たかのさんの話からは全然そんなことを感じなくて、むしろ話が終わるころには私はすっごく旅行に行きたくなっていた。

理由の1つとして、観光地の綺麗さなどの魅力よりその時起こったハプニングや変な人たちに焦点を当てて話していたことだと思う。

だってパリのエッフェル塔がすごい綺麗ですとか言われても「まぁそうでしょうねぇ」としか思わないだろう。

すっかりたかのさんファンになった私は帰り際に新刊まで購入して心温まる気分で帰ったのであった。何故か購入特典でハグ付きだったのもたかのさんらしい。

 

で、私は旅行は好きでも旅行のエッセイはほとんど読んだことが無かった。

行ったことのない国に関する先入観を持ちたくなかったというのが一番の理由だ。いずれ自分も行ってみたい国だし、何も知らないほうが面白いじゃないと。

ただ最近はその考えも変わってきて、その国を知ってから行くのも新しい発見があって楽しい。

なにより人のエッセイを読んだ後に同じ場所に行ったところで、まったく同じ旅になることもない。

 

私みたいな旅行エッセイを避けがちな人にも、たかのさんのエッセイはオススメしたい。観光地に行くばかりが旅行でないと気付かされるし、文章からも伝わるエネルギッシュなパワーに良い刺激を受けまくる。

 

「モロッコで断食」はたかのさんが大学生のころの話。スペインを経由してモロッコ、そして砂漠に行くまでの道のりをホテルなどまったく予約せず弾丸旅行。

途中で出会う日本人と仲良くなってそのまま道中を共にしたり、旅行というか冒険という言葉がよく似合う旅。

 

節約中で旅行に行けなくても、本を読めば長期間旅行に行ったようなワクワクした気持ちで読み終われるのだ。

楽しいばかりでなく、旅行に行と時々感じる虚しさも上手く表現されていて私はずっと共感しっぱなしだった。

みんな似たようなことを考えるんだなと。

 

ちょうど読み終わったところで、私は次に行く旅行が待ちきれない。